老後の移住は、多くの60代が夢見る新しい生活のスタートです。
しかし、その夢が必ずしも現実となるとは限りません。
実際に移住をしてみたものの、失敗に終わるケースも少なくありません。
この記事では、老後移住に失敗しないためのポイントを紹介し、成功するための具体的なステップをお伝えします。
【老後移住の末路】60代で田舎に移住してはいけない理由
老後に田舎への移住を考える60代の方々は少なくありません。
しかし、実際には田舎暮らしが自分に合わない場合も多く、その結果、移住に失敗してしまうケースがあります。
以下に、田舎に移住してはいけない理由は下記の通りです。
田舎では、都市部に比べて医療施設が少なく、専門的な治療を受けるために長時間の移動が必要になることがあります。
特に高齢者にとっては、緊急時の医療アクセスが限られていることは大きなリスクです。
また、田舎では公共交通機関が発達していないことが多く、自家用車が必須となります。
高齢になると運転が難しくなるため、移動手段が限られ、日常生活に不便を感じることがあるでしょう。
なお、都市部に比べて娯楽や文化活動が少ないため、趣味や余暇の過ごし方が限られてしまうことがあります。
退職後の自由な時間を楽しむための選択肢が少ないことは、精神的な充実感にも影響を与えます。
さらに、田舎の方が生活費が安いと考えられがちですが、実際には移動費や医療費などの隠れたコストがかかることがあります。
農作業や自給自足を考える場合、その準備や維持にも経済的な負担がかかるでしょう。
老後に海外移住をして失敗した例も…
老後に海外移住を夢見る人も多いですが、成功するためには多くのハードルがあります。
以下に、老後に海外移住をして失敗した具体的な例を紹介します。
Aさんの事例
Aさんは、リタイア後の生活を夢見て東南アジアのリゾート地に移住しました。
最初の数ヶ月は新しい環境を楽しんでいましたが、次第に以下4点の問題が浮上してきました。
- 医療の問題
- 言葉の壁
- 文化の違い
- 経済的な負担
Aさんは持病を持っており、定期的な治療が必要でしたが、現地の医療施設は設備が不十分で、信頼できる医師を見つけるのに苦労しました。
また、現地の言語を習得するのに時間がかかり、日常生活でのコミュニケーションがスムーズにいかないことが多々あります。
特に医療や行政手続きでは、言葉の壁が大きなストレスとなったようです。
さらに当初は、生活費が安いと期待していましたが、輸入品や医療費が高額であり、予定していたよりも多くの費用がかかりました。
このような失敗例からもわかるように、老後の移住には多くの準備と慎重な計画が必要です。
田舎や海外への移住を考える際には、現実的な視点でのリサーチとシミュレーションが不可欠と言えるでしょう。
老後移住で失敗しないための5つのポイント
前章では、「老後移住で失敗した…」と感じてしまう具体例について紹介しましたが、事前に確認すべき部分をチェックしておけば、老後移住を成功させられます。
本章では、老後移住で失敗しないための5つのポイントを紹介していきます。
1. 十分な下見とリサーチを行う
移住先を決める前に、十分な下見を行うことが不可欠です。
具体的には、下記のリサーチを行うと良いです
2. 生活費を把握する
移住先での生活費は、思った以上にかかることがあります。
生活費を把握する際には、以下の点に注意しましょう。
3. 地元のコミュニティに参加する
移住先での孤立を防ぐために、地元のコミュニティやサークルに積極的に参加しましょう。
具体的には、下記の行動を意識できると良いです。
4. 医療施設の充実度を確認する
老後の生活には医療が欠かせません。
医療施設をチェックする際は、以下の点を確認しておきましょう。
5. サポート体制を整える
家族や友人とのつながりを維持し、必要なサポートを受けられるようにしましょう。
たとえば、下記のような事前準備をしておけると安心です。
老後の田舎暮らしで成功するための具体的準備
次に、老後の田舎暮らしで成功するための具体的な準備を紹介していきます。
移住をしてから「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、今できることを実践していきましょう。
ステップ1：生活環境のシミュレーション
まず、実際に移住先で生活してみることで、環境に適応できるかを確認しましょう。
たとえば、各季節に2週間ずつ滞在し、気候の変化や生活リズムを体験すると良いです。
その際に、地元のスーパーで買い物をし食生活の変化に対応できるか確認したり、公共交通機関を利用して病院や役所を訪れ移動の便を確認したりしましょう。
ステップ2：地域の情報収集
次に移住先の地域について、できるだけ多くの情報を集めましょう。
具体的には、地域の広報誌を1年分取り寄せることで、年間行事や地域の特色を把握できます。
また、移住者向けの交流会や説明会に参加し、先輩移住者の体験談を聞くのも良いでしょう。
余力があれば、地域特有の防災リスク（豪雪、台風など）と対策について調べておけると安心です。
ステップ3：経済的なプランニング
最後に、長期的な視点で経済面の準備を整えましょう。
たとえば、ファイナンシャルプランナーと相談し、30年分の生活設計を立てると良いです。
その際、年金の受取方法や税金の変更手続きについて、事前に確認しておきましょう。
また、移住に伴う初期費用（引越し、家具購入など）を詳細に見積もり、地域の物価水準に合わせた家計の見直しを行っておけると余裕を持って移住の準備ができます。
おすすめの移住先：60代でも住みやすい国内エリア
最後に、60代以上の方におすすめの移住先をいくつかご紹介します。
1. 長野県
長野県は、軽井沢町、安曇野市、松本市などが老後の移住先として人気があります。
医療面では、松本市にある信州大学医学部附属病院が中核病院として機能しており、安心して暮らせる環境が整っています。
長野県の特徴として、温泉地が多く健康的な生活が送れることや、夏は涼しく過ごしやすい気候が挙げられます。
2. 北海道
北海道では、ニセコ町、富良野市、函館市などが移住先として注目されています。
医療面では、札幌市の北海道大学病院が高度医療を提供しています。
北海道は冬の除雪対策が必要ですが、夏は涼しく快適に過ごせます。
また、新鮮な海産物や農産物が豊富なことも魅力の一つです。
3. 千葉県
千葉県の館山市、南房総市、鴨川市は、温暖な気候で年中過ごしやすく、東京へのアクセスも良好なことから、移住先として人気があります。
医療面では、鴨川市の亀田総合病院が地域医療の中心となっています。
4. 神奈川県
神奈川県の鎌倉市、逗子市、葉山町は、文化施設や商業施設が充実しており、海や山など自然も豊かな環境が魅力です。
医療面では、横浜市立大学附属病院が高度医療を提供しています。
これらの地域は、都市的な利便性と自然の豊かさを両立させた生活が可能な場所として注目されています。
まとめ
老後の移住は、新しい生活のスタートとして夢見がちですが、成功するためには十分な準備と現実的な計画が必要です。
失敗例から学び、しっかりとしたリサーチと準備を行うことで、理想の老後を実現しましょう。
